ベンチャー企業の立ち上げ初期は、まだ人員も少なく、また、社内インフラや社内法規も整っていない段階だ。
そのため、一般社員であってもある程度の仕事の裁量の自由度がある。
例えば、大企業であれば、担当組織がきっちり分けられていて、仕事の範囲も予め決まっているが、ベンチャー企業の場合、その区分けがまだ曖昧な為、社員自身の判断、または裁量で横断的に様々な仕事を行うことが可能だ。
加えて、組織的な有り様として、トップダウンというよりは、ボトムアップ的な傾向が極めて強い為、社員のアイディアや提案が通りやすく、仕事の目標がはっきりしている方にとっては、とても楽しい環境であるといえる。
逆にいえば、上司の言うとおりに仕事が行えるが、自ら仕事を作り出すのが苦手な人間にとっては、あまり良い職場であるとはいえないだろう。
また、ベンチャー企業には時期によって『草創期』、『拡大期』、『多角期』、『成熟期』の4つの段階がある為、どの時期に入社するかによっても社員の働き方がかなり異なってくる。
社員の仕事の裁量の幅は草創期が最も大きく、成熟期が最も小さくなるのは事実で、その辺の事情も考慮して入社や転職のタイミングを合わせておけば、飛躍的なスキルアップに繋がるかもしれない。
さらに言えば、十分なIT技術の知識と腕前、素晴らしいアイディアさえあれば、自ら企業を立ち上げることも可能で、それもまた、ベンチャーにとっての面白さの一つである。
ベンチャー企業に就職して経営ノウハウを学び、いずれは自ら会社を興したいという野望を胸に秘めた猛者には、「起業を目指すならベンチャー企業」が助けになるだろう。